決算発表

エンブリッジの2025年第1四半期決算 利益〇、キャッシュフロー〇、通期見通し△ =保有継続

原油や天然ガスのパイプラインの運営等を行い、カナダに本拠を置くエネルギーインフラ企業のエンブリッジ(ENB)が現地時間の5月9日に2025年第1四半期決算を発表しました。

エンブリッジ(Enbridge Inc)はエネルギー輸送・配給会社である。

【事業内容】

5つのセグメントを通じて事業を展開する。

液体パイプラインセグメントはカナダと米国にあるパイプラインとターミナルから成り、各種等級の原油やその他の液体炭化水素を輸送・輸出する。

ガス輸送及び中流セグメントは、カナダと米国における天然ガスパイプラインと集荷・処理施設への投資で構成される。

ガス配給・貯蔵セグメントは、天然ガス事業から成る。

再生可能エネルギー発電セグメントは、風力発電、太陽光発電、地熱発電、廃熱回収、送電設備への投資で構成される。

エネルギーサービスセグメントは、現物商品販売、物流サービス、エネルギーマーケティングサービスを提供する。

同社はエイトケンクリークガス貯蔵施設とエイトケンクリークノースガス貯蔵施設を所有する。

(SBI証券より)

概要は以下のとおり。(尚、通貨は米ドルではなくカナダドルです。)

まず会計基準ベースの1株利益は、主にデリバティブ金融商品の公正価値評価の影響や前期2024年2月の人員削減に伴う退職費用が2025年には発生しなかったこと等により、前年同期の0.67ドルに対し1.04ドルと55%の増加。

一方営業キャッシュフローは特殊要因により3%減となっています。

次に調整後EBITDAは、主に、米ドミニオン・エナジー社からの複数の事業の買収、輸送量、利用料の増加、寒冷な天候等により以下のとおり前年同期比18%(8億7,400万ドル)の増加。

EBITDAとは

Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。

国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。

その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。

(SMBC日興証券)

そして調整後1株利益、調整後営業キャッシュフローを表す分配可能キャッシュフロー、1株(当たり)分配可能キャッシュフローは主に上記調整後EBITDAに記載した要因により前年同期比でそれぞれ11%、8%、5%増となっています。

以上見てきましたが、この銘柄の場合、開示項目に会計基準ベースにおいては1株利益に加え営業キャッシュフローが、そして調整後のいわゆるNON-GAAPベースにおいては調整後EBITDA、調整後1株利益に加え分配可能キャッシュフロー(調整後営業キャッシュフロー)が開示されており、本来の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローを重視していることがわかります。

またアナリスト予想との比較では、以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を上回っています。

最後に2025年の通期見通しですが、以下のとおり調整後EBITDAと1株(当たり)分配可能キャッシュフロー(調整後営業キャッシュフロー)が開示されており、前回見通しの調整後EBITDA:194億ドル~200億ドル、1株分配可能キャッシュフロー:5.50ドル~5.90ドルを維持しています。

以上、好調なスタート切ったこの銘柄ですが、やはり注目はトランプ関税による影響。

その影響について社長兼CEOのグレッグ・エベル氏は次のように強気な発言をしています。

「関税が当社の現在の事業や資本配分に重大な影響を与えるとは考えていません。

ということで、利益〇、キャッシュフロー〇、通期見通し△ =保有継続

です。

(何やかや言っても配当支払をフリーキャッシュフローでまかなえていない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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